レトルトってどういう意味?

レトルトカレーをはじめとして、「レトルト」という言葉が一般的になって久しいですね。でもそもそも「レトルト」ってどういう意味なのか、みなさんご存知でしょうか?

レトルト(retort)は「加圧過熱殺菌をする釜」を指すことばで、語源はオランダ語です。
この釜で殺菌処理をされたものが「レトルト食品」と呼ばれるようになり、今に至っています。

レトルト食品の歴史

レトルト食品は1950年代にアメリカ軍で缶詰に代わる軍用の糧食として開発されました。缶詰は保存性は高いですが、運搬の重さ・食べた後の空き缶の処理などの問題があり、それを解決するためにレトルト食品が開発されたと言われています。

※ちなみに缶詰はナポレオン・ボナパルトが遠征時の食料として当時主流であった塩蔵や燻製のものより保存性の優れたものを求めた結果、1804年にフランス人の二コラ・アぺールにより瓶詰が開発され、その後1810年にイギリス人のピーター・デュランドによってブリキ缶を用いた缶詰が生み出されたという歴史があります。食品保存方法の改善の歴史は戦争が牽引してきたんですね。

レトルト食品の認知度が上がったのは、アメリカのアポロ計画(1961年~1972年)で宇宙食として採用されたことがきっかけです。これを機に多くの食品会社に注目されることとなりました。

その後レトルト食品は一般家庭に普及していくこととなりますが、世界で一番初めに家庭用レトルト食品が発売されたのは日本だと言われています。
もちろんレトルト食品が開発されたアメリカでも家庭用商品が発売されることとなりますが、アメリカでは当時冷蔵庫が普及しはじめていたこともあり、あまり浸透しなかったようです。
一方日本では冷蔵庫の普及はまだまだだったこともあり、保存性と簡便性に優れたレトルト食品が広く受け入れられることとなりました。

意外と知らない!?レトルトパウチ食品の決まり

・レトルトパウチ食品の定義

プラスチックフィルム若しくは金属箔またはこれらを多層に組み合わせたものを袋状その他の形状に成型した容器(気密性及び遮光性を有するものに限る。)に調整した食品を詰め、熱溶融により密封し、加圧加熱殺菌したものをいう。(平成12年12月19日農林水産省告示第1680号)

・つまり…?

上記のような定義になっていますが、なんだかよくわかりませんよね?ポイントとしては、

 ①気密性および遮光性のある容器に入っていること

 ②密封されていること(容器の一部を熱で溶かして密封)

 ③加圧加熱殺菌されていること

ということになります。

・加圧加熱殺菌について

レトルト食品(レトルトパウチ食品や缶詰)に欠かせない工程が先述の「加圧加熱殺菌」です。これは圧力をかけて通常の湯煎よりも高温で内容物を殺菌することを指しています。

120℃で4分間かそれと同等の熱が加わることが条件です。この条件下で一般的な食中毒菌のうち最も耐熱性の高い「ボツリヌス菌」を殺菌することができます。

当社で使用しているレトルト殺菌機(通称:殺菌釜)

・保存料を使っている?

保存料は使っていません!

レトルト食品は食品衛生法で保存料や殺菌料を使ってはいけないことを規定しているため、レトルト食品を名乗る食品についてはそういったものは全く使われておりません。

加圧加熱殺菌のみで殺菌を行っているので、安全性の高い食品と言えます。

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日本缶詰・びん詰・レトルト食品協会ホームページ https://www.jca-can.or.jp/useful/